PAL TALK-1
株式会社 地域法人無茶々園 代表大津 清次
ともにパルシステムを担う、たくさんの生産者の方々。ここでは、そんな生産者の代表として無茶々園・大津代表にご登場いただき、パルシステムとの関わりと想いを語っていただきます。
SESSION-1
まちとひと、
そして食へ。
成長を続ける、
無茶々園。
無茶々園は愛媛県にある、パルシステムのみかんの産地の一つです。
40数年前、無農薬無化学肥料栽培での農業は、決して簡単なことではありませんでした。しかし、「無茶なことかもしれないが、無茶苦茶に頑張ってみよう!」という思いを込めて「無茶々園」と命名し、スタートしました。
無農薬無化学肥料栽培は、はじめからうまくいった訳ではありません。みかんが実を結ぶのは1年に1度きり。少しずつ試行錯誤を繰り返してきました。そんな中、勉強と販路拡大のために東京の市場や自然食品店、日本有機農業研究会などに出掛け、出会ったのがパルシステムでした。
「産地直送で、ただ物を売り買いする」のではなく、「生産者と消費者が相互理解を持っておこなう」パルシステムの産直の考えに共感し、パルシステムと無茶々園は共に歩んできました。
平成28年度農林水産祭ではむらづくり部門の天皇杯を受賞しましたが、これは無茶々園だけではなく多くの生産者と消費者・都市生活者との共感による運動に対していただいたものだと考えています。
SESSION-2
ただの「取引先」
ではない、
利益もリスクも
分かち合う「仲間」
のような関係。
無茶々園をはじめ産地とパルシステムは、共に様々な取り組みをおこなうパートナーのような存在です。
農産物の「買い手」と「売り手」は、一般的には「買い手」の主張が強くなってしまいがちです。しかし、私たち生産者とパルシステムはそれを良いと考えず、買い手も売り手も平等であるべきだと考えています。私たちの先代が「パルシステム生産者・消費者協議会(以下生消協)」という、パルシステムに農畜産物を供給する生産者と、生協、組合員(消費者)がともに協議し活動をおこなう場を作りました。この場では全員が対等の立場で、よりよい日本の食、農業、くらし、環境を目指すために意見交換をします。ときには、互いの率直な意見がぶつかることもあります。しかし、それは食や農業を真剣に考えるからこそ。買い手、売り手といった立場の違いは関係なく、自分たちに何が出来るか、何をする必要があるのかを、共に考え行動に移していくことこそが、この協議会の目的の一つです。こうした取り組みをおこなっている組織が、他にあるでしょうか。
生産者と組合員とパルシステムは取引関係にありますが、それ以上に共通の思いを持った「仲間」のような存在で、Win-win-winの関係であると感じています。
妥協をせず、馴れ合いにならない対等な関係のもと生産者と組合員、パルシステムが互いに“より良い食の未来”を求め、努力を重ねる。ともに歩んだ成果を共有し、新たな課題と真摯に向き合うこの活動を、私は誇りに思います。
SESSION-3
互いを知ることで
生まれる、強みが
ある。
消費者である組合員だけではなく、作り手である生産者や取引先メーカーを大切にする視点。これがパルシステムの特徴の一つだと感じます。消費者である組合員やパルシステムで働く職員が生産地へ、そして生産者が首都圏へ赴く機会もあり、交流を通して「顔の見える関係」を築いています。私自身もこういった交流の機会を通じて組合員や職員、他の産地の生産者や取引先メーカーなど、多くの方々との繋がりを持つことができました。「買い手」と「売り手」という単純な関係性ではなく共に社会を良くしていきたいと考える「仲間」のような存在だからこそ、互いの考え方を理解し共に努力をし、利益もリスクも分かち合う。その考えのもと、生産者は組合員を思って生産し、パルシステムは責任を持って生産者から預かった食べ物をお届けし、消費者である組合員は生産者を思いながらいただく。
こうした関係性は自然災害などがおこった際にも強い味方になります。例えば、災害後の復旧作業に職員が駆けつけたり、組合員から支援募金のカンパをいただいたり、困ったときに支え合える恩を、私自身も感じています。
生協とは「消費生活協同組合」の略称。消費と生活に使命を持つ組織だからこそできることを、ともに推進していきたいと思っています。新しく入協される方も、ぜひそんな志を持って活動してくださると嬉しいですね。